・最初に
楽しかった!
元は十年前のゲームということで色々不便な面もあったけど、個人的にはそれを上回る魅力があったと思う。
・事前知識
「話し掛けただけで好感度が上がるので、重要システム担当の宿屋のおっさんがしばしばヒロイン枠になって攫われる」「なんだったらエンディングでベロチューしながら主人公ともつれ合って倒れていく」「武器屋のおやじでもなる」「おっさんが顔を赤らめる」「主人公宅で同棲」「海に投げた」「回避のためには近くで武器を出し入れなどして好感度を下げる」「現在発売中のダークアリズンでは修正済(※宿屋のおっさんのみ)」
今から考えると、なんでこれで遊ぼうと思ったんだろう。セールで安かったのと暑さで頭やられてたからかな……
・ストーリー
がっつりと骨太の王道で好き。古き良き時代の冒険活劇という感じ。
終盤は盤面を裏返したような怒涛の展開だった。中盤までが英雄譚なら、終盤は選定と継承の神話だと思う。
・アクション
やっぱりカプコン、しっかり楽しい。
受け身やローリング回避が特定の職かつ特定の装備じゃないとできない、ダウン時間が長いなどの難点はあるものの、どの職も遊んでて楽しかった。
そしてふとした瞬間にカトルオックス島の思い出が過っていけない。崖掴まりがなんかDASHなんだよな……
・ポーン
ワールド方式のオトモアイルーというか、ワールドのオトモがポーンのシステムを簡略化したものだと思う。
育成要素もありつつ、相棒役としてかなり頼りにさせてもらった。あと声が好き。
・大型ボス
デカい敵にしがみつける、ということで、大型の敵もスケールの大きさを存分に感じられて楽しかった。
システムとしてはワンダと巨像に似ていると思うが、ワンダがアクション要素のあるパズルゲームなのに対して、ドラゴンズドグマはあくまでアクションゲームという感じ。しがみつく場所で敵のリアクションも変わってくる、というのが面白かった。
ボス戦のしがみつきが楽しいからこそ、もっとデカいボスもいたらなぁ~! みたいなもっとちょうだい欲が出る。ワンダの第十五の巨像(門番気取り)くらい、ボスもボスエリアもデカいやつ。ウルドラゴン(オフライン)は楽しかった。でもあれカメラが高度の上限に引っかかってる?
・フィールド
開発開始がモンハンと同じくらいとの話をどっかで聞いたが、やってて森丘と同じような雰囲気を感じた。というか今から考えれば、森丘はモンハンのフィールドではかなり雰囲気が独特だなとも思った。
全体面積はそこまでじゃないんだろうけど、地域ごとに植生が変化するから歩いてて楽しかった。森と丘がほとんどなのに、変わり映えするからすごい。
・気になったこととか
日本語フォント。
最近のゲームであるエルデンリングとかに比べればそりゃまあマップの全体面積は狭いんだが、ファストトラベルがかなり限定されているために自力で移動しなければならない距離が長い。移動自体は風景のおかげで楽しいから、アグロとかトレントみたいな乗り物枠は欲しかったなあと思う。
ポーンがいっぱい色々なジェスチャーをやってるのが羨ましかった。ゲーム側でのスクショ機能があるから主人公にも色々ジェスチャーがあったら嬉しかったなと思う。
武器防具の強化まわり。特定の敵を倒した時に確率で主人公の装備が変質強化する、というのはだいぶ面倒な部分だった。ポーンの装備を強くするには主人公に使わせないといけない上に確率が関わってくるし、その対象のモンスターともモンハンのような連戦はできない(最速での再戦を狙うとセーブ地点からのやり直しになるので、結局再抽選になる)ので、もうちょっと緩ければと思う部分。
絆の指輪にヒロイン枠固定機能つけといて欲しかったな……。というか周回重ねると武器屋のおやじ(恐らく既婚者)や成金おやじ(一児の父)相手に意図せぬ寝取りが発生するから、既婚者とか恋人がいるような相手はなんかこう、ガードつけといて欲しかった……
・自業自得
エルデンリングの直後にやるゲームではない。
ドラゴンズドグマだと△が強攻撃になるせいで、話しかけようとするだけでクソ通り魔になるから。イクバール、何度もごめん。
以下ネタバレ含む。
キャラクターたちに対する振り返り。
・エインセル(初見プレイ、二周目)
覚者。モンハンワールドからこちら、ブラボもダクソもエルデンリングもキャラメイクのあるゲームの主人公は全員男だったが、今回は久々に女主人公にした。名前の由来は妖精の少女で、意味は「自分自身」とのこと。エインセル河本流にちなんだわけではない。そういやシーフラも妖精なんだよな。
たぶん取っ組み合いなら圧勝するタイプの女子。公式に主人公の職業は漁夫と明言されているので、男衆に混じっても遜色ない働きを見せるんだろう。
主人公としての台詞は基本的にないものの、ころころ変わる表情で何を感じているのかはある程度把握できる。最初はそこまで気にしてなかったが、ストーリーを進めるごとにだんだん表情が硬くなっていったような気がした。
反対に、サマリーにはただ前に進み続ける覚者の姿が残されていた。この子はきっと負けたくないんだろうな、と気づいてすとんと納得してから、彼女の歩みにより強い魅力を感じた。
だからこそ、プレイヤーとして後悔が募る。
「お前はお前のために生命を使うことができる」というドラゴンの言葉を、プレイヤーである自分はエインセルに取らせてやれたんだろうか。「自分自身」という意味を知った上で名前をつけて、彼女はそれを貫けたのだろうか。あの先の選択に、救いはあったのだろうか。
少なくとも、彼女は後に託すことができたのは確かでもあると思う。ただプレイヤーとしては、ポーンのグッドフェローと二人でカサディスに帰って欲しかった。二人の旅をもっと見たかった。その後悔は三周目を別の主人公にしてクリアするまで晴れなかった。
このゲームはアンデット系の敵が出てくるが、アンデットと覚者の違いはなんだろう、みたいなことを考えたこともあった。覚者が人間として存在できるのは、たぶん絆の指輪を託すに値する存在がいるからこそなんだろう。
・グッドフェロー(初見プレイ、二周目)
メインポーン。エインセルが妖精の名前なのでこっちも妖精からとった。某ロビンとは全く関係がない。
主人公が女性なのでこっちは男性に。男女どちらの装備デザインも見たいという理由からだが、モンハンほど装備デザインに男女差がないからあまり関係なかったかも。
感情が希薄で欲求がないということで融通のきかない生真面目な感じかと思ったら、性格自体は根っからのポンコツド天然バカ真面目ボケボケ野郎でかなり好き。「何かありますよ」と主人公の家に置いてある木箱を主人公の目の前でぶっ壊して中身拾ったり、広い野っぱらではこう広いと走り回りたくなりますねと報告してきたり、小金を拾うために噴水に頭から突っ込んで「水に濡れないよう注意してください!」とか言い出したり、休憩所の商人の真後ろにある宝箱を躊躇なく開けてプレイヤーを戦慄させたり、ジュリアン尾行中に歓楽区のお姉さん方がたむろしてるところでなぜか一人引っかかったり、涸離宮の最上階では書くのを躊躇うようなことをやらかしやがったり。「かくれんぼは任せてください!」は名言。「グッドフェロー!? なにしてるの!?」となったことがたくさんあったのはいい思い出。サポートポーンたちも似たようなことをしていたはずだが、なぜかグッドフェローだけポンコツのイメージが強い。
戦闘終了後の黙祷やガッツポーズ、コントローラー放置してると主人公の顔の前で手を振って起きてるか確かめてみたりとかの、細かい動作も好き。ただ立ってるだけでも腕を組んだりきょろきょろしたり、待機モーションがたくさんあるらしい。うらやましい。
戦闘ではレンジャーを務めてもらった。万能薬以外のアイテム使用などを含めたサポートがけっこう的確で、かなり戦いやすかった。性格はあんな感じだが、戦闘となると本当に頼りになる。
蒼月塔でのグリフィン戦での落下による初ロスト(しかも主人公ともども海に落ちて隣で溺れてるのが見えた)はマジで血の気が引いたし、ボス戦イベント中だから置き去りにして進むしかないし、リムで復活した直後のしれっとした感じには「おっお前なぁー!」となった。
相棒役として最高の存在だったと思う。道中が賑やかなのは個人的に嬉しい要素だった。覚者とポーン、二人揃ってドラゴンズドグマの主人公、という感じ。
声の雰囲気に合わせたキャラメイクを頑張ったおかげで、最後のムービーでとても満足した。同時に展開にトドメを刺された。
エンディング見たあとにぼんやりしたままパソコンつけてつべ開いてなんとなくトップにあった米津玄師のカムパネルラ聴いた。死体蹴りされた。
・ロバート(三周目ハードモード)
ハードモードに挑戦する際、エインセルとグッドフェローのキャラメイクのパラメータをそっくり入れ替え、ちょっと調整して始めることにした。ロバートはグッドフェローを二十歳ほど老けさせたような、ちょうどエインセルくらいの歳の子供がいる程度の外見に。そういえばキャラメイクのあるゲームの主人公を中年以上の年齢で作るのは初めてだと思う。
主人公はムービーでよく顔がアップになるのだが、エインセルよりもずっと表情の動きが柔らかかったのが印象に残っている。エインセルは張り詰めたような雰囲気と眼だった一方、ロバートは目元が優しいから印象が違う。グッドフェローの方はほとんど表情が動かないし顔がアップになる機会も少ないので、そっちの印象ともだいぶ違う。「負けたくない」よりはまさに「大敵への挑戦」だろうか。
エンディングについても、ロバートはあの結末で納得してそうだなと腑に落ちる感じがある。エインセルよりも歳がいってるからか、心臓が奪われた時点で自分は死んだものとして扱っていそうな雰囲気がある。投げやりとか自暴自棄とかではなく、日常の外にいるハレの存在になったことを理解しているというか。エインセルは全部終わったらカサディスに帰れることを疑っていなかったと思うが、ロバートは早々に元の生活にはもう戻れないことを悟っていたんじゃないかな、と感じた。ゲーム中には一切描かれていないしプレイヤーの勝手な妄想だが、それくらい物語の印象が違う。
そういう印象のどこか浮き世離れしてしまったおじさんだと認識した結果、エインセル以上にエンディングのお相手探しに悩むことになった。そして内部的にはエインセルの好感度含むステータスをすべて引き継いでいるため、気を抜くとキャクストンやマクシミリアンが攫われる。さすがハードモード。容赦がない。
・マーガレット(三周目ハードモード)
エインセルから髪型を変えたのと、日焼けで濃いめにしていた肌の色を薄くした。名前の由来はバラッド「タム・リン」で騎士を妖精の女王から奪い返した勇敢な乙女より。取り返して抱えたまま離さないように、という願いも叶わないながら込めた。
こちらもエインセルとは受ける印象が異なり、張り詰めた雰囲気や苛烈さは消えて、どこか穏やかで冷静な感じである。ステータスや性格の傾向はグッドフェローのものをそっくりそのまま受け継いだはずなのに、行動や言動がグッドフェローよりなんだかとてもしっかりしている気がする。どういうことなんだろう。「かくれんぼは任せてください!」とか言わなかったし。
エインセルには実用性を優先した格好ばかりさせていたが、マーガレットはずいぶんおしゃれに気をつけた。プレイヤーキャラクターは基本背面しか見ないが、ポーンはそうではないからだと思う。
ロバートのエンディングの相手はキナだったので、最後にいくつかカットが増えていた。差し伸べられた手を取れず、後ろ髪を引かれながら、しかしそれでも前を向く姿にはどうしようもない苦さを覚える。きっと一人の人間として、このまま生きていくんだろう。いつか、自分自身のための幸せを見つけてほしいと願う。
・タイムアタック用グッドフェローとタイムアタック用エインセル
タイムアタックモードの景品(バーナビーとセレナの服)欲しさに下準備をして挑戦した。その際キャラメイクデータを覚者グッドフェロー、ポーンをエインセルにして遊んだ。装備とかも元々の二人のものを引っ張り出して着せた。張り切るグッドフェローとほどほどにねと窘めるエインセルを幻視するくらいにはこの二人の解像度が変な風に高い。げ、幻覚が見える……
カサディスの人たちを放っておくのは嫌だな、とか、慣れないジョブで一ターングリフィン抹殺に失敗して蒼月塔まで行くハメになったりとか、買い忘れた会心の矢を安く買うためにフォーニバルを生かしたりとか、タイムアタックとは思えないグダグダ加減だった。それでも二時間切れたのでなんとか集中力も保った感じ。
セーブデータのバックアップができないからエンディングの相手を厳選することが実質不可能なので、ほぼ何の対策もなく(一応任意の相手に在庫の絆の指輪を渡しておいたが意味なかった)ドラゴンに挑んだ。結果フォーニバルだった。グッドフェロー!? なにしてるの!? いやこれ悪いのドラゴンじゃねえか!? ドラゴンさん!? なにしやがるの!?
・ドラゴン
選定者。
今までやってきたゲームの中で一番好きなドラゴンだと思う。強くてかっこよくて渋くて素敵。たまにする耳パタがかわいい。
戦闘がすごく楽しかった! さんざん焦らされただけある。演出とかイベントパートとか後半戦とかひっくるめて全部好き。
この人がかつて何者であったか、を踏まえると、「お前はお前のために生命を使うことができる」という言葉の重みを思い知る。あるいは先達として、後進への手向けだったのかも知れない。
でも仲人として見ると、本人わりと自信満々だけど見当違いの相手に突っ走りがちだと思う。あの場で「いやこいつとは別にそんな仲良いつもりないけど……」とか言われたらどうするつもりだったんだろう。
・サヴァンとサルド
チュートリアルステージの操作キャラクターと、彼の専従。
ドラゴンと対峙する、というところでシーンが切れて、二人はどうなったのかと気にはなっていた。そしたらアレだよ。テンションクソ上がった。
サヴァンの外見がデフォルト主人公男に似ているのは何か理由があるのだろうか。
この二人を主人公にした特典小説があり、五周年の時に無料公開されていたらしい。リンク探してアクセスしたらページなくなってて泣いた。
・キナ
恐らく主人公を人間の域に繋ぎ止める最も強い楔。
主人公の変容にものすごい焦燥を感じていたのに、それに自分では気づけてなかったんじゃないかな、と思う。そして主人公があれだけの無茶をやってのけるのは、自分がどんなに変わってもキナは変わらずにいると信じているから、だったんじゃないかなとも思う。
初見時は森の呪術師をやらずに飛ばしてしまったため、キナ関係含む複数の重要なサブクエストがまるごと吹っ飛んだ。そのせいで一周目は女の子の影がほとんどなかった。このゲームおっさんしかいねえな!
キナはアダロのじいちゃんとまだ一緒に暮らしているのに対し、主人公は独り立ちしている、というところが興味深い。主人公がデフォルトの同年代男性なら理由も分かりやすいが、自分のところの主人公は同年代女性のエインセルと親子くらい歳の離れたロバートなので、どんな経緯だったのか妄想したくなる。どちらにせよキナは主人公の独り立ちに反対したのでは、と勝手に思う。
ポーンたちはキナのことを特定の台詞ではさん付けで呼び、部屋がいい匂いとの感想を残す。主人公の見てないところで仲良くなったのかもしれない。
ロバートのエンディングの相手を務めてもらった。彼の時はドラゴンを倒した後の流れを既に知っているだけに、エインセルの時とはまた違う悩み方をした。
また、このおじさんは想いを寄せてくれてることを理解した上で応えずにキナから離れようとするだろうな、というのは容易に想像できてしまった。ただ相手が誰であれそういう態度を取るだろうし、そうなった時にためらいなく手を伸ばして捕まえようとするのはキナしかいなんじゃないか、とも思った。好感度が高い女性NPCはほかにもいたが、彼女たちはロバートの覚者としての姿しか知らない、彼が手放してしまった日常を何も知らないから、やんわりとはいえ明確に拒絶されたら躊躇するのでは、と。
エンディングでは演出とセリフが増えていた。あの人じゃない、と言われた時はそうだと分かっていたはずなのに見たくない事実を突きつけられて呻きが漏れたし、でもあの人の想いはここに(帰ってきた)、と言われて、エインセルごと救ってもらえた気がした。ロバートも、それからエインセルも、ちゃんと帰ってこれてたのかな……
・アダロのじいちゃん
カサディスの海のように大らかで優しい人。
初めての護衛依頼はこの人とだった。ドレイクを振り切って進み続けたあの日のことは忘れない。
主人公やキナの親代わりとのこと。キャラメイクで主人公を年寄りにした場合、ちょっと矛盾したりする。
ラスボス戦でのイベントではこの人の台詞が一番効いた。あの台詞、最序盤でルークのイベントが起きないように遠回りして話しかけると聞けることに気づいてダメージ増えた。いつだってアダロは主人公の無事を祈っていたんだな、と。
約束を守れなかったのが心残り。無事に帰れなくて、帰らせてやれなくてごめん。
・バルミロ
たぶんだけどキナと同年代か少し下くらい? 性格も根っこのところがキナと似た感じで、こうと決めたらわき目も振らずに突っ走るタイプ。アダロのじいちゃんによれば主人公もそんな感じらしい。カサディスの人間は全体的にそんなとこある。
旅に出ている以上、バルミロは主人公がどうなったのか知らないんだよなぁ、と考えると悲しい。あれほど希望に満ちた別れ方したのにな。
・イオーラばあちゃん
主人公を今でも変わらず悪ガキ扱いしてくれる人。
買い物したい時に限ってだいたい外出してる。
・パブロス
なぜか頑なに自分の家で休もうとしない主人公に、きちんとした寝床を提供してくれる人。たぶんご飯とかも全部面倒見てくれてると思う。
いい人過ぎて詐欺とかに引っかからないか心配になる。護衛依頼の依頼文でなぜか魔物から呼び出しを食らってたが、大丈夫なんだろうか。
・パイク
とりあえず武器下ろして服着ろと見かけるたびに思う。
・カサディスの人たち
覚者になった主人公のことを、今まで通りに受け入れ続けてくれた。本当にありがたいことだと思う。
ちょくちょく帰ってみると、メインストーリーの進捗に合わせて台詞が変わる人が多い。素朴な反応がすごくうれしかった。
エンディング後の彼や彼女のことも、カサディスのみんなはきっと気にかけてくれるだろうと信じている。それは双方にとってとても残酷なことだろうけど、それでも。
・ルーク
最初に旅の道連れを務めてくれたサポートポーン。この人は冷静沈着なイメージがある。
やれることが火属性まわりに小回復と、分かり易くてこちらも動きやすかった。
・マデリン
遠くから眺めてるのが一番気楽で楽しいタイプの人。
主人公たちと話してる時よりジュリアンと話してる時の方が声が本気っぽいので普通に疑った。
・メルセデス
背伸びをし続けてた人。
声がすごい強そうな雰囲気で実力もそんな感じだろうな、と思っていたのだが、そんなこともなかった。
帰国した彼女がどうなったのか、気になるところ。便りがないのは元気な証拠、ということにしたいが。
・エリシオン
覚者とドラゴンの間に挟まろうとしてくる奴。とても罪深い。
最初はプレイヤーの所感も「救済……!? いったいなんなんだこの連中は……!」といった感じだったが、長城砦あたりになると「俺(※プレイヤー)と! ドラゴンの間に! 挟まるんじゃねえ!!」みたいな感じになってた。
ドラゴンについては登場シーンやら覚者を自分の元に来るよう促していたことやら、あとはカサディス以外で一切被害を出していないことあたりから「救済」連中が崇めているような存在ではないと早々に推測していたのもあって、こいつらの話はドラゴンの悪口を言われてるような気分になってなんか嫌。
誰も彼も、結局は見たいようにしか物事を見ないということなんだろう。
直接ボコボコにするチャンスが来なくてちょっと不満。
・セレナ
二周目でようやく正式に対面した子。初見プレイでも一度お酒をもらいに行ったが、それをカウントするのも違う気がする。
不思議な子だな、と思っていたところ、護衛依頼の挨拶で右手にポーンの印が見えて驚きつつも納得した。グッドフェローみたいなポンコツ系ではなく愚者やバーナビーみたいな物静かなタイプ。
異界渡りの根無し草であるポーンが、自分の願いを自覚し居場所を定めたことで人間となる、というのは興味深かった。「専従のポーンはだんだん覚者と同じ姿を得る」というのは初見の時点で愚者から開示されていたが、そこからさらに踏み込んだ内容だった。エンディングの演出もこのイベントでなんとなく意味が分かった。でもじゃあ、グッドフェローやマーガレットはあの無限に続く落下の中で「マスターと一緒にカサディスに帰りたい」と願っていたのだろうか。しんどい。
・レイナード
初見時はフォーニバル裁判以降、なかなか遭遇できずにそれきりだった。
二周目に攻略情報を解禁して彼のイベントをクリアした。別れの後にグッドフェローが「もうレイナード様とは会えないのでしょうか……」と寂しげにこぼしていたのが印象深い。レイナードの在り方に色々感じるところがあったんだろう。
顔も知らない父親の、あるかも分からない痕跡を探す、というのはそれこそ明かりのない夜に手探りで進むようなものだろう。覚者という絶対的な道標があるポーンのグッドフェローからすれば、レイナードの姿は自分には真似できないがゆえに眩しいものとして映っていたのかも知れない。
・アッサラーム
ドラゴンズドグマに興味を持つきっかけとなった、ある意味恩人。ずっと日本語音声で遊んでるので噂のオバダビは聞いたことがない。
ポーンについて自分の所感をきちんと確立しながら客として受け入れていたり、主人公のことも一個人として接してくれたりと、本当にいい人。
実際めちゃくちゃお世話になったしプレイヤー側の好感度はめちゃくちゃ高いが、でもヒロインになるのは違うだろとなるやつ。親愛や友愛であって決して恋愛ではないんだよと言いたい。
・キャクストン
武器屋のおやじ。いい人。なのだが。
二周目で危うくヒロインになりかけた。定位置に奥さんしかいないのに気づいて衝動的にセーブデータバックアップの復元をして黒呪島攻略二時間分(含ゲイザー戦)ごと吹っ飛ばした。寝取りの当事者になるのは勘弁してくれ……寝取った側の脳が破壊されるから……それまで普通に攻略してた黒呪島に苦手意識生えたのたぶんこれのせいだし……
ほんと、絆の指輪にエンディングの相手を固定する効果つけといてほしかったな……
・メイソン
怪しいが服を着て歩いているような奴。本土教会の密偵とのこと。
「すごいね、本当にやっちゃったよ」と言われた時は言いようがないほど凄まじい不快感に襲われた。やりたくないけど今後のことを考えたらやるしかない、と嫌々やった後に茶化されたと感じたからだと思う。
そのためプレイヤー側の好感度はかなり低いのだが、近ごろのメイソンは好感度高めで話しかけるたびに背景と頬を赤らめてくる。ときどき自分が何のゲームやってるか分からなくなってくる。
・フォーニバル
各種アイテムとか会心の矢とかで世話にはなったが今はコメントをとても残しづらい。
タイムアタックモードでタイムアタック用グッドフェローを押し倒していた。中断できないから対策取れなかった面はあるけど、マジで奥さんとシモーヌに申し訳が立たねえ……
・シモーヌ
おしゃまさん。
恐らく登場する子供の中で最も頭が良い。ドラゴンについて自分なりの疑問をきちんとまとめていたり、父親フォーニバルの所業をうっすらと察しつつ、それでも父の助命を嘆願したり。頭が良いからこそ、敬愛する父親がああいうスタンスなのはつらいだろうと思う。
街歩きで顔見知りと思しき騎士に挨拶しているのを見てにこにこしてしまった。そして「かくれんぼは任せてください!」と気合い十分なくせにあんまり役に立たないグッドフェロー。お前な。
・モンテバンク
クズ物屋の店主に身を窶した界の王。
此度のドラゴン討伐もかのお方の多大な助力あってこそである。
真面目な話、この人がいなかったら武器防具の強化にもっと手こずっていたと思う。特定の敵と連戦できるゲームじゃないし。
・バーナビー
ポーンギルドの顔役という立場で、ドラゴン戦後にアッサラームがポーンギルドで臨時営業しているのを見るに、街の人たちともうまく折り合いをつけているんだろう。
ポーンの中でも特に探求心が強いように感じる。自身の直感や希薄な感情を言葉に直せるだけの観察力や、人間とポーンの違いについての所感など、長く生きてきた中で培われたものだろうか。
主人の有無が明らかにされないポーンは彼と(強いて言えば)ルークの二人だけだが、ルークは異界渡りをしているシーンが描写されているのに対し、バーナビーは「ポーンはこの世界との繋がりが薄い」と言いながらもギルド運営のためにひとところに数十年も留まっていたり、領都の直下にあるエヴァーフォールの管理を任されていたりなど、本来根無し草のポーンでありながら責任ある立場に就いている。これは非常に特異なことではないかと思う。
専従の消息が明らかにされない、国の要職に就いている元覚者も一人いるにはいるが、お互い一切言及していないっぽいし雑談の話題にも出てこないため判断しようがない状態。どうなんだろう。統治五十年とこの地に留まって数十年なので時期はありえる範囲。バーナビーはエヴァーフォールの変容について一切知識を持っていなかったことから、仮に主人がいた場合でもドラゴン戦を越えられていないことが分かる。「私は理解したい……人の揺らぎを」と言った時の声になんとなく探求心ではなく後悔を感じたが、当時の自分では支えられなかった、かつての主を押し潰し続ける不安という感情をはっきりと理解したいから、なら通るかなぁ。うーん、判断材料に主観が混じりすぎて微妙。
三周目に入ってはじめて、宿営地のリムを介して語りかけてきたのはバーナビーだったということに気づいた。それまでリムがなんか喋ってるとしか認識してなかった。しかしポーンがリムを介して会話のやり取りができるなら、要所にリムがあるのも理解できる。いや全然活用されてねえな。関所のアレとかリムで通信すれば一発だろ。
エインセルのエンディングの相手を務めてもらった。領都の人たちと接しているとどうにも気疲れしてくるから、たとえ覚者という枠ありきとはいえ主人公を気遣ってくれる彼の存在は大きかった。何よりエインセルのことをちゃんと任せられる相手だと思ったのも大きい。初見プレイ開始時点でエンディング(実際にはエンディングではないが)でまあそういうことをやるという話は知っていたので、ただでさえ色々と背負わされている主人公に更に誰かを背負わせるのは嫌だった。バーナビーはポーンゆえに覚者に従う存在ではあるものの、それとは別に大人としてきちんと自立している誠実な人物である。少なくとも、守られるだけ、寄りかかってくるだけの存在ではないし、覚者に責務を求めこそすれ主人公に自身の思想や理想を投影することはないように思えた。なんなんだろうこの、自分が好きなキャラというよりは主人公と並んで立ってくれる相手を見つけたいというお節介な感情は。
覚者の命令に逆らわないポーンに対して気持ちを押し付けるのはいいのか、とそこでもしばらく悩んでいたが、ムービー中に共通モーションとはいえエインセルに自発的にキスして押し倒しているのを見て安心した。行動にほぼ反映されないだけで快不快や好き嫌いは普通にあるのがポーンだから、覚者としてしか見てないならそういうことはやらないだろう。じゃあどうして行動に移したのかについては身も蓋もないことを言えば共通モーションだからだが、開発が生贄になりえるキャラクターの中からバーナビーを除外していない以上は移しただけの理由もあると勝手に考える。行動に移すだけの動機・衝動がその覚者の専従ではないポーンに生まれたということについて思いを巡らせるのはとても楽しいなあと思う。野次馬根性万歳。
ドラゴン戦の後のセリフを見るために二週目は意図して別の人を誘拐させた。だいぶ罪悪感が強かったのでたぶん自分はこのゲーム向いてない。サモンナイトとかは別に大丈夫だったのに。やっぱり一線越えるか否かってのはデカいんだろう。
最後の、今にも泣きそうな顔で笑うバーナビーの姿にだいぶ動揺したし、かなり心持ちがしんどくなった。あの辺も共通モーションなのは分かっているが、ただ一人の相手と共に生きることを望んだ、というのはポーンにとってはものすごく重大な決断だろうから。グッドフェローに意志を繋いだとはいえもうエインセルはいなくなってしまったし、バーナビーもそれには気づいているんだろう、と。
・マクシミリアン
彼の覚者についての所感を聞いた時はちょっと「……うーん?」となったものの、それまでのアレコレでわりとプレイヤー側の好感度は高かった。それだけに終盤での台詞であれだけ国と領王に尽くした主人公にそんなこと言うなよ……となった。ただただ悲しかった……
二周目以降ではセリフが違っていた。マクシミリアン側の好感度が高かったからだろうか。
とはいえ初見では「偉い人からの依頼だしきちんと真面目に取り組もう」としっかり働いていた主人公が、二周目では国宝を贋作とすり替えてガメたり、謁見をこなしてる領王に突然鮮魚を大量に渡して謁見の間を生臭くしたりするなどの蛮行に及んだのはだいたいこの人のせいである。あんなこと言われたら誰だってグレる。
・領都の人たち
主人公と今まで通りに接してくれたカサディスの人たちとは違い、基本的に覚者というレッテルに接してくる感じ。なんというか、気持ちは休まらないよなと思う。中には「覚者のくせに」とか「あんたみたいな覚者はいらない」とか言ってくる相手もいるからなおさら。
だからこそ主人公そのものを見てくれる相手が貴重に思えたのだが、その面子がアッサラームにキャクストンにモンテバンクにアースミスにステファンと、みんなおっさんという有り様。
・フェステ
あの心遣いで周囲を侮らせてくれたお陰で、足を引っ張るような馬鹿が城内では湧かなかったんだろう。手を打てなかった教会勢力はメイソンを引き込んでもまああんな感じだし。それに道化はそういうのが役割だしなぁ。頭が良くないと務まらない仕事だと思う。
・オルダス
中間管理職の悲哀。
殴って昏倒させられたにも関わらずすぐ復帰してたのを見て、彼の職場での待遇が本当に心配になった。エドマン陛下、自分がスーパーマンだから部下にもそれを強要しがち。
・フェデル
カサディスを離れてしばらく経つ主人公を魚臭いと揶揄していたが、玉座に座ったフェステにお辞儀していたところを見るに、実際に目が良くなくてにおいで判別しているのかもしれない。労ろうと思った。
・エドマン
色々あったが嫌いになれない。
本編ストーリーにおいては登場人物の中でドラゴンと二度対峙したのは主人公、エドマン、竜識者、あとたぶんセレナのばあちゃん(竜の言葉が分かる→竜と会話したことがある)で、だからドラゴンの強大さを知っている彼の選択を責める気にはなれない。ぶっちゃけゲームだからやり直せるだけで、主人公だってドラゴン戦で死んでてもおかしくなかっただろうし。それを乗り越えたからこその終盤のアレコレなんだろうけど。
長城砦占拠の前のオルダスの話では、主人公を最前線に送るつもりだったというが、これは長城砦に常駐させるつもりだったということでいいのだろうか。下賜のシーンからして捨て駒扱いというわけでもなさそうだしなあ。
五十年グランシスを治めてきたのも彼自身の能力があったからこそだとも思う。不幸だったのは、本来の寿命年齢を迎える前に次代の覚者が現れてしまったことなんだろう。
謁見のシーンでは「こやし玉くれ。椅子の座面の下に仕込む」となったが、あの大量の抜け毛見つけちゃったからまあそんな感じである。
・エリノア
初見はあからさまな誘導に引っかかるのが何となく嫌で後回しにした。結果一切会わずに終わった。このゲームおっさんしかいねえな!
たぶん公式でもキナに次ぐメイン格のヒロイン。ただこの人のイベントまわり、発生させないほうがメインストーリーとの矛盾が発生せずにすっきりまとまる感じはある。領王の目の前で前科一犯になったのに鞭打ち以外のお咎めなしとか。脱獄しても大丈夫とか。実際領王があの一件について一切触れてこず、外部に覚者の醜聞が漏れている様子もなく、宝物の下賜のシーンにも物品の内容にも変更がなかった(指輪が贋作なので「?」とはなってた)ために、むしろエリノアをまたあんな目に合わせないために涸離宮に隔離したんじゃないか、くらいの邪推をしてしまう。
ちょっと苦手なタイプの人だなと思った。関わっていく過程で、主人公側ばかり振り回されて負担やダメージが載っけられていくように感じたためだと思う。
エリノア救出イベントが落着した際、サポートポーンたちがエリノアの無事についてコメントしている中でグッドフェローが放った「疲れる依頼でしたね。一休みしますか?」の冷たさに、思わず苦笑いが浮かんだことを覚えている。そりゃ自分の主が投獄・鞭打ちされるはめになった原因を良くは思わんよな……
・ジュリアン
なんか色々大義名分を挙げ連ねていたが、救済関係者なのでプレイヤー側のリアクションは聞き流した上での「ケッ、格好つけ野郎がよォ」みたいな感じになる。俺とドラゴンの間に挟まるんじゃねえっつってんだろ。
エインセルの時は分からなかったが、ロバートの時に主人公がジュリアンに対して激高していることに気づいた。ジュリアンの言う「国と民」は結局のところ彼の祖国のことであって、グランシスの人々については必要な犠牲だと嘯きつつ路傍の石ほどの価値すら見いだしていなかったんだろう。ドラゴン襲撃で顔見知りを何人も失っている主人公からすればふざけるなと言いたくもなるだろうし、彼も結局は政治についてしか考えてなかったということに失望もしただろう。
デザインワークスによると王族の庶子らしい(紋章のデザインがそういう意味になるらしい)ので、自分の立場や隣国グランシスに色々と思うところがあったんだろうけど。
初見時に死に逃げされるのはクッソ腹立つからと生き返らせたらなんか反省して自発的に牢屋に入った。煽りに行ったら頬を赤らめながら盾を渡してきた。獄中に武器を持ち込むな。
獄中にいるはずなのに護衛依頼貼り出されてて「???……、…………????????」となった。罪を償うとか言った直後に抜け出してくんなよ。というか着替えた格好からして自分が罪を重ねてる自覚あるだろ。ちゃんとお勤め全うしろよ。
初見時のラスボス戦のイベントで一人だけ背景ピンクにしてて「???……、…………????????」となった。雰囲気。
デザインワークスでヒロイン枠だと判明して「???……、…………????????」となった。いやまあ若い男性NPCで本筋に絡む大きめのイベントがあるの、ジュリアンくらいしかいないという部分はあるんだが。このゲーム、若年男性層が微妙に薄い。
・竜識者
この人は「絆を捨てる」かつ「ドラゴンに挑む」という選択をしている。対して主人公はどちらか片方しか選択できない。しかしこの人、自分の手で大切な存在にトドメを刺したんだろうか……
ある意味亡霊というか、覚者を人として繋ぎ止めるものがない。彼を現世に繋ぎ止めているのはドラゴンへの執着だけなんだろう。穂先のない槍と愚者は彼にとって同じものなのかもしれないし、だからまるでいないもののように扱うのかもしれない。
最期、一瞬だったけど確かに笑っていた。主人公は成し遂げたのだと、彼にもきちんと伝わったのだろう。
・愚者
「丘の上のバカ」はさすがにひどいと思う。
このゲームに登場する専従のポーンの中で、言い方は悪いが最も哀れな立ち位置なのではないかと思う。メインポーン組については省くとして、おばあちゃんから心を移してもらい自分の願いを見つけて人間になったセレナと、エヴァーフォールで主人の遺言に従うポーンたち。主の意志を継ぐ彼らと比べた時、愚者には主である竜識者によって残された方向性がない。石室でただ独り佇んでいる彼の姿にはもの悲しさを覚える。
丘の地上絵を描いているのは彼とのこと。折れた穂先をあそこに埋めた理由を聞いてみたかった。
・モール
サロモの魔導書を入手するクエストで「欲しければ力ずくで奪ってみろ(要約)」みたいなことを言われて、いいのかなぁと困惑しながら周りの部下がいなくなるタイミングを見計らって壷で頭かち割ったりして殺った。結局落とさなくて更に困惑した。イベントでの死亡じゃないから復活して良かった良かった。
まったく、うかつに「力ずくで~」なんて蛮族に言ったら命ごと取られるということを理解しておいてほしい。
・オーフィス
女装したグッドフェローについては直接会話してないから百歩譲るとしても、女装して交渉するロバート(声の低い髭の生えたおじさん)を女性と見間違えるのはどうなんだろう。長城砦の兵士たちやらレイナードやら、みんな女装して山越えしてるのかな……
以上。黒呪島がんばるぞ(脳に染み付いた寝取り発覚時の絞め殺されるような衝撃と戦いながら)。